「あ、花音!風夜!」


K-01を倒した花音と風夜が先に進んでくると、それに気付いた瑠璃が飛んできて、その後から沙羅と朔耶がやってくる。


「二人が此処に来たってことは、あの化け物は?」

「とりあえず、倒したらしい」

「ところで、こっちはどうなったの?」

「ふふ、こっちも牢に閉じ込められていた人達は、無事に助け出したわ」


言いながら、沙羅がある方向へ視線を向ける。

そこには黄色い髪の少年に嬉しそうに抱き付いている紅牙と蒼牙の姿があった。


「えっと・・・彼は?」


二人がくっついているのが誰なのかわからずにいた花音に気付いた紅牙と蒼牙が少年の手を引いてくる。


「花音!風夜!この人が黄兄だよ」

「助け出せたんだ!黄牙兄さんも、皆も!」


嬉しそうに言う二人に、思わず表情が綻ぶ。


「さてと、じゃあ、後は此処を脱出すればいいのかしら?」


花音と同じように笑って見ていた神麗が言うと、黄牙と紹介された少年が首を横に振った。


「いや、ただこのまま逃げ出したとしても、また別の人が捕まって、実験が行われるだけだ。あの男とこの施設をどうにかしないと」

「それはいいけど、この人達を連れていく訳にはいかないでしょう」


沙羅が助けた人達を見ながら言うと、黄牙は頷く。


「ああ。今言ったことは、俺が責任持ってやるよ」

「「ええー?」」


それに声を上げたのは、紅牙と蒼牙だった。



「そんなぁ、折角助けたのに・・・」

「黄兄がそうするなら、俺達だって!」


そう言った二人に、黄牙は鋭い視線を向ける。


「駄目だ!お前達が俺についてきたら、誰が他の人達を・・・」

「いいじゃない?連れていってあげたら」

「捕まっていた人達は、私達が安全なところへ連れていくから、ね?」


沙羅と神麗に言われ、黄牙は溜め息をついた。


「・・・わかった。頼むよ」

「花音達はどうする?私達と戻る?」


沙羅に聞かれ、花音は首を横に振る。

そして、黄牙達と残ることにして、沙羅達と別れた。