「・・・お前はどうなんだよ?俺が存在していてもいいのか?消えたり、あの闇の中に戻らなくても」

「それはお前次第だ。・・・花音の言うとおり、俺とお前、二人で一人なら、拒んだりはしない。・・・暴走されるのは困るけどな」

「・・・・・・おい」


何かを決意したような目で〈風夜〉が沙羅を見る。


「何かしら?」

「俺の実体化を解け。・・・俺の負けだ」

「えっ?」

「確かに直接の戦いでは俺が勝った。だが、不意をつかれていなかったとしても、あの化物の攻撃を防ぐことは俺には出来なかった。それが出来たってことは、俺より余力を残していたってことだ。・・・それに」

「それに?」

「あんな訳のわからない連中に利用されるくらいなら、〈俺〉に協力する方が何倍もましだ」

「そう・・・、じゃあ、解くわよ」


沙羅が言ったと同時に、〈風夜〉の身体が光の粒子になり、風夜の中へと入っていった。