「どういうことだ?風夜は今だって・・・」

「・・・それは違う。今までは一体化していた俺の力を引き出して、使っていただけなんだ。だから、お前等と時間の流れも一緒だし、俺を引っ込めさえすれば、格上の魔力に影響を受けることもなかった」

「そう、でもそれはもう無理よ」

「えっ?どうして?」

「・・・あいつが俺を出すときに使った術だ。あの術で俺は出されただけでなく、戻れなくされた」


疑問の声を上げた花音に《風夜》が苦い顔で答えた。


「つまり、今の風夜は・・・」

「俺の存在を知らなかった頃と同じ、ただの人間ってことだ」

「そう、だから、今度は私達の力を使ってもらおうと思ってるの。身体がない私達と、強い力を必要とする貴方・・・、利害は一致すると思うけど」

「駄目だ!」


女性の言葉に答えたのは、何故か《風夜》だった。