「この間報告したはずだ。母上。そいつは、魔族の血は引き継いでいるが、この世界の住人。危害を加えることがなければ、このまま様子を見る。それで納得したはずでは」

「そうね。でも、それはこの間までよ」

「この間までって・・・」

「何かあったのか?」


龍牙と白夜の言葉に頷いたのは、聖羅と呼ばれていた少女だった。


「宣戦布告よ。魔族は、この世界を手にし、神界を攻めてくる。両世界では、その為の準備が進んでいるわ。だから、私達はそれを知らせに来たの。神界へ戻ってきてもらうために」

「その状況で戻れと?」

「ああ。お前達には、神界の守りと聖羅様の護衛についてもらう。いいな?」

「ですが、総長。私達が神界の守りにつくなら、誰がこっちを?」

「それなら、すでに先発隊を送ってある」

「先発隊?一体、何処へ?」

「決まっているだろう?この世界で、奴等が本拠地にしている場所・・・、風の国だ」

「「!!」」


その言葉に、花音と風夜は目を見開いた。