「っ・・・、これでも駄目なのか?」

「もう一度だ!次で・・・」

「フフ、ハーハハハッ」


その時、傷付きながらも立っていた化け物から笑い声が聞こえてくる。


「フハハハ、お前達には礼を言うぞ。今ので、意識を取り戻せたのだからな。・・・これはその礼だ」


そう言ったかと思うと、化け物化した男の口にエネルギーが溜まり、花音達の方へ放たれる。

だがそのエネルギーは、突如現れた空間の歪みの中へ消え、また別の方向から元研究者へと直撃した。


「グゥ・・・、何?」

「悪いな。俺の力は、こういう使い方も出来るんだ。術を仕込むのに、少し時間が掛かるけどな」

「元々、私と刹那の力は戦闘用ではないけど、使いようによっては何も出来ないわけじゃないのよ」


思いもしなかっただろう攻撃に、声を上げた元研究者を見て、刹那と星夢が言った。

刹那が時間が掛かると言った術も、星夢の力で元研究者がまだ動け、攻撃してくることがわかったから、間に合ったのだ。


「ならば・・・」


そう言い、再び動こうとした男を神蘭達が再び封じた。