「紅牙!蒼牙!」


二人が壁に叩き付けられる寸前で、朔耶が助ける。だが、彼はそのままK-01の尾で凪ぎ払われてしまった。


「ぐあっ!」

「・・・まずいわね。・・・やめなさい!」


追い討ちで朔耶に太い腕が降り下ろされるのを見て、沙羅が魔力で作った鎖でK-01の動きを止めようとする。


「っ・・・、きゃああぁ!?」


だが、それは逆に利用され、思いきり振り回された後、沙羅は床に叩き付けられた。


「沙羅ー!」


気を失ってしまったらしい彼女の所へ、瑠璃が飛んでいく。


「そんな・・・」

(皆、一撃で・・・)


僅かな時間で地に伏した四人を見て、花音はあまりの力の差に愕然とする。

その間にもK-01は倒れている沙羅達の方へ向かおうとしていて、花音は慌てて意識を集中させた。


(お願い・・・、力を貸して!)


光輝から借りた宝珠が光り出す。

それと同時に、宝珠の力が流れ込んでくる感覚があり、溜めていた力が膨れ上がったのを感じた。


「はあっ!」


その力を此方に背を向けているK-01に向かって放つ。一直線に向かっていった光の筋は、無防備だった背中に命中する。


「ウウウッ、ウガアア」


だが、当たりはしたもののダメージを受けた様子のないK-01が、花音の方を見て唸り声を上げる。

その表情は攻撃されたことに怒りを感じているようなもので、沙羅達からターゲットを変更し、花音へと向かってきた。