俺たちが帰ってきて、
部屋の近くに行くと

少し大きな声が聞こえた。


「なんで、あたしは夏諒のために翔竜と夏祭りに行けなくなるの?」

聖花の声だった。

少し大きくてこわい声だった。


「最近、冷めてきた。とか言ってたの聖花じゃん?」

夏諒の声も聞こえた。


…俺と夏祭り?


「でも、あたしの方が前から好きだった!」

「意味わかんないし。あたしだって好きなんだから」


二人の会話は、確かに俺の事だった。