「…真野さん」 「あら、淳子でいいわよ」 「じゃあ、淳子さん」 上品に先ほど頼んだお酒を飲んでいる淳子は騒がしいこの空間で一際目立っていた。 それは騒ぎ立てて目立っているのではなく、ただ同じ空間にいるだけで自然と目がいってしまう。 それは女優だからだろうか。 「…何かオツマミ要ります?」 「じゃあ、少し頂こうかしら?」 私はボーイにオツマミを頼むと淳子に向き直った。ミリアはすっかり酔いつぶれて私にもたれかかっている。