私はしばらく去る龍の姿を見つめていた。喧騒の中でずっと見続けるのは難しくて、すぐ龍はホストの壁に阻まれて見えなくなってしまった。
…かっこいいな。
ときどきふと見せる顔が大人で、その表情に堪らなく惹かれてしまう。
普段はあんなに子供っぽくてわがままなのになぁ…。
経験が成せることなのか。
「ご馳走さま」
横から聞こえてきた声に私は飛び上がった。
「あ、どうも!遊さん」
遊はニコッと笑うと自分の客のいる席へと戻って行った。
…ビックリした。ぼうっとしてたらしい。全てのグラスが空いた頃にはさゆりはぐでんぐでんに酔っぱらっていた。
少し飲ませ過ぎたかもしれない。

