「なに?おまえヤキモチ妬いた?」
ニヤニヤと私の顔をのぞき込むこーへい。
他の男にはない余裕さが腹立たしい。
言ったよね?
私はやられたらやり返す女だよ。
「こーへい」
こーへいの膝のあいだに座る。
背の高いこーへいだから私の目線は自然とこーへいを見上げる形になる。
「……っ!」
「ふふっ、こーへい真っ赤」
「おまえなあ…」
真っ赤なったのも一瞬。
すぐにいつもの小言を言うこーへいの顔に変わる。
「ほんとおまえには頭上がんねえ」
「こーへいが趣味の悪い香水つけるからだよ?」
「だからシャワー浴びてきたんじゃねえかよ」
「やっぱこーへい優しいー!ご褒美にちゅーしてあげよっか?」
「いらねえ、ばか」
呆れたように、でも優しく笑うこーへい。
こういうのがこーへいを上の中に見せるのかな。
「てかおまえだって趣味の悪い香水つけて帰ってきたじゃねえか」
「ハルの香水は臭くないもん」
「おまえの自己中はどうにかなんねえの?」
「でも一番好きなのはこーへいの匂いだよ。顔は中の上だけど」
「話聞いてる?」
