どのくらいの時間が過ぎたのだろうか。
そのくらい結衣はスケッチに夢中になっていた。
すると、結衣の目の前に急に影が出来たのである。
驚いた結衣は、イヤホンを外しながら恐る恐る顔を上げた。
「あんた…こんなところで何してんの?」
「あ…恭輔くん…。こんにちは。こんなところで何をしてるの?」
「俺は校外ランニング中」
「校外って…学校からここまで結構な距離あるけど…」
「校内だと煩いからな。距離があるっていっても、走れば大した距離じゃない」
「そっか。恭輔くん、陸上部だもんね」
「で、あんたは何してるわけ?」
「私はスケッチしてたの」
「…家はこの辺なのか?」
「そうだよ。…あっ…」
そう言った瞬間、結衣は不味いというような表情をしていた。

