愛しい君へ贈る詩







「あ、蓮くん」

「このバカ息子」

「いやいや、褒められることをした覚えはあるけれど、怒られるようなことをした覚えはないんだけど?」

「結衣ちゃんと帰ってくるなら、連絡をしなさいよね」








蓮は母親である愛花に、思いっきりお腹に蹴りを入れられたのであった。






「ってー!」

「蓮くん、大丈夫?」

「結衣ちゃん、そんなバカ息子なんて放っておいて、リビングに行きましょう」

「で、でも…」

「さ、早く早く」








結衣は蓮のことが心配になったものの、愛花と愛美に引っ張られるように、リビングへと移動してしまった。




そもそも、何故別々の家に帰ったはずの蓮が結衣の家にいるのかと言うと、それはこの家の創りに秘密が隠されているのであった。


一見、何の変哲もない家に見えるのだが、一階のリビングルームが繋がっているのである。
左は蓮の家、右が結衣の家と、玄関は違えど、リビングルームが繋がって設計されていることにより、中でお互いの家を簡単に行き来できるようになっているのである。
リビングルームが特殊な創りになっているだけで、他は何の変哲もない普通の家と変わらなかった。



何故、こんな家を建てたのかというと…、それは二人の母親が関係しているのである。