愛しい君へ贈る詩






『蓮くん、蓮くん!大変なのよ!』

「愛美さん、慌ててどうしたんですか?」

『結衣ちゃんが帰ってこないのよ。こんなこと高校に入学して初めてで…。もしかしたら、変な人に絡まれているのかも…。どうしましょう…。あぁ、警察に電話……』

『愛美ちょっと電話貸しな。……蓮?』

「あぁ、お袋?ちょうど良かった。結衣ちゃんのことなんだけどさ…」

『早く結衣ちゃんを探しな。何の為にあんたを同じ学校に行かせたと思ってんの?』

「いや、だから話を聞いてよ。結衣ちゃんなら、デッサンをするのに夢中になっちゃってたみたいで、今、一緒に帰ってる所だから」

『何でそのことを早く言わないのよ、このバカ息子!』

「いや、言おうとしたら話を聞いてくれなかったんじゃん」

『まぁいいわ。早く帰って来なさい。それと、結衣ちゃんにちゃんと携帯を見るように伝えて?これじゃぁ、何の為の携帯電話かわからないわ』

「了解」








そう言うと、蓮は電話を切り、大きな溜息をついた。









「れ、蓮くん?」

「結衣ちゃん…。携帯電話はちゃんと確認しようね?愛美さんちょっとしたパニックになってたみたいだから」

「あ…ごめんなさい。昨日、充電し忘れちゃったみたいで、電池切れになっちゃってたの…」

「…なら、これからはちゃんと毎日充電しようね」

「うん」

「さぁ、急いで帰ろうか。愛美さんも、お袋も待ってるから」








それから二人は、急いで家に帰った。
高校の最寄り駅から、五駅進んだ所が二人の家の最寄り駅だった。
そこから五分程歩いた所が、二人の家なのであった。