「さて、結衣が一目惚れした相手を頑張って探しますかね」
「どうやって?」
「んー…まぁ、運動部なのは間違いなさそうだし、片っ端から探していけば、そのうち見つかるでしょう」
「そっか…」
「でもそれじゃぁ、時間かかるんじゃない?」
「それもそうね…って誰?!」
結衣とあずみ以外の男の声がして、驚いたあずみは後ろを振り返った。
「あ、蓮くん」
「若鍋蓮!」
「ヤッホー結衣ちゃん。結衣ちゃんがこんな時間まで学校にいるだなんて珍しいじゃん」
「結衣、若鍋蓮と知り合いなの?」
「えっ?うん…」
そう、後ろから声を掛けてきたのは、若鍋蓮だったのである。
まさか、学校中の人気者である蓮が、話し掛けてくるとは思わず、あずみは驚いていた。
「酷いな~あずみちゃん。フルネームじゃなくて、蓮でいいよ?」
「私がどう呼ぼうと、関係ないでしょ?」
「噂通り、冷たいんだから」
「噂って何よ…」
「結構有名だよ?告白してきた男への態度が凄く冷たいって」
「別に良いじゃない。私は彼氏以外興味ないわ」
「そう。…あ、もしかして、このスケッチブックにいる彼が結衣ちゃんの思い人?」
蓮はスケッチブックに描かれている人物を指差した。

