「お願いします!!」
勢いよく頭を下げる相川さん。
「お願いします。サーブは相川さんからで。」
ボールを投げる。
「はい!!」
ラケットを構える。
試合開始だ。
ちょっと前まで中学生だった子に、負けるわけにはいかない。
こういう子は、一回現実見てもらおう。
あなたなんか本気を出さなくても勝てるよってこと。
「くっ!!」
私のスマッシュが相川さんの足元をかすめていく。
「ゲームセット。どう?レギュラーのレベルは?」
「…」
「手応えはあったよ。でも相川さんならもっと上を目指せるんじゃない?」
「…」
「私たちと、テニスしよ?」
「…」
俯いたまま顔を上げない。
ありゃりゃ、泣かせちゃった?
強気でプライド高いけど、負けたら泣くって
めちゃくちゃ可愛いですやん!!
後輩はちょっと生意気なくらいが良いんだよ。
相川さん、是非欲しいね。
「し、失礼しますっ!!」
「え、ちょっと、相川さん!?」
あらら、そのまま走ってっちゃったよ。
そんなに悔しかったのかな。
「あ、愛、どうだった?」
「うん?まあまあかなー」
愛も新入生相手に対戦していた。
相手は目がくりっとしておさげの大人しそうな子だ。
「誰だっけ」
「立川舞ちゃん。スタイル的にはダブルス向きかなー」
「へぇ。」
「真理のとこの相川さんは?」
「泣いて帰っちゃった。ちょっとやりすぎちゃったかな」
「あらららら、悔しいんだろうね。」
「素質はあると思う。入ってくれるといいけど」
「うん、そうだね。」
テニス部員100人計画、さっそく行き詰まりそうです…

