幼なじみの君に season春→夏


クラス分けの熱が冷めると、次は各クラブの新入生の獲得に火がついた。

私の所属する女子テニス部でも、新たな才能の発掘を目指して一人でも多くの部員が入部して欲しいと願っている。

「ねえ、真理ー?今年は何しよう?」

「そうだな…」

愛と話しているのは、新入生の仮入部の練習メニューだ。

「見栄はるより、やっぱりいつもどおりの私たちの練習を見てもらいたいじゃん?初心者の子はラケットの振り方から教えて、経験者は軽く打ち合うとか」

「そうだね。初心者の子はレギュラー以外に頼んで…。経験者の子は、中学でインターハイ出てる子も時々いるから、もうちょっと手応えがあるメニューにしようよ」

メモをとりながら愛が答える。

「手応え、か。経験者の子同士で打ち合うより、現役と何かできるかな…」

今までは仮入部でもずっと外周を走ったり素振りだった。

まあ、入ってから1年生はレギュラー昇格しない限りそれか球拾いしかやることがないから、ほんとにありのままではあったんだけど。

それじゃちょっと昨年度より部員を増やすには難しいな…

「なら、指名してもらって、現役と試合したらどうだ?」

「仁!!」

「野球部にも県大会ベスト4に入ってた奴とかも来るから、そういう奴らは俺らが相手してる」

「仁、それってつまり自信に溢れてる奴らのプライドズタズタにして泣かせてやるってこと?」

いつの間にやってきたのか、広田も会話に入ってきた。

「ま、そういうことだ。」

「ほわー、野球部恐ろしや」

「言い方は別にして、確かにそれはいい考えかも。自分の実力を知って入部してからそれをバネにしてくれたらしてやったりだし」

「ああ。野球部にも先輩にやられて火がついた奴がいっぱいいるからな」

「愛、どう思う?」

「うーん、いいと思う」

「だよね。仁ありがと。これで部に発案してみるよ。」

「おう」

「よし、女子テニス部員100人目指して、頑張るぞー!!」

「頑張るー!!」

「部活に入ってるやつは大変だな、俺帰宅部で良かったー」

燃える私と愛を横目にほっとする広田でした。