そんなことをしていると、すぐに学校についた。
すでにたくさんの生徒で溢れかえる正面玄関。
嬉しそうな声やら悲鳴やら抱き合う子まで様々だ。
「何組かなー?ドキドキ」
「今年も愛と一緒がいい」
「えへ、私もだよ」
「わかったから早よ行くぞバカップル」
こんなところでラブラブしてたらいつまでたっても正面玄関に着かんわ。
二人を押して正面玄関へ。
「三人で同じクラスになりたいね。」
「こんな台風女がクラスにいたら毎日嵐だな」
「広田くんそこはそうだなって言ってれば可愛いのにねー、誰ですか、台風女って?」
「知らねー」
「でも、真理は三人プラス、仁さんだよね?」
「う、そりゃそうですよ」
「佐山って仁のことになったら弱気だよな」
「っるさいなー」
「じゃ、真理と広田と仁さんと私で同じクラスになれますように…」
「ちょっとまって愛ここ神社ちゃう」
正面玄関に来てもたくさんの生徒に溢れていて、こんなことをしていたらなかなか教室に行けない。
「でも佐山に高瀬、広田だとみんな出席番号真ん中だから探しにくいねー」
困ったように笑う愛。
「あ、仁さんだ!!」
え、仁?
どこ?
「ほら、柱のところ」
愛の指す方を見ると、そこには柱の側に立つ仁がいた。
「仁!!」
私は走り出す。
「真理か、朝から元気だな」
「うん!!」
「ねーねー仁さん、身長高いから私たちのクラスも見てよ」
「私たち、って」
「私と真理と広田」
「三人もいるのか…」
ブツブツ言いながらも見てくれる仁。
やっぱ優しい、惚れる。
「あ、仁。私も行く!!」
ここで仁と同じクラスになって二人で喜んで一緒に教室に行って…
溢れ出す妄想は止まらない。
「仁は何組?」
「まだ見てない」
「なんで?早く来たんじゃないの?」
「人の波に飲まれた」
「あはは、だからあんなところにいたんだ」
あー幸せ。
仁と話せる=幸せ
頭ん中で幸せがゲシュタルト崩壊起こしそう。
「何の顔だよ、それ」
しまった、幸せが滲み出てしまったか
「ううん、何もないよ、行こ」
さっきは面倒に思えた生徒の波をかき分けることも今は苦ではない。
登校してやっとたどり着いたクラス分けの紙の前に立つ。
何組かな、仁と一緒かな。
ドキドキしながら自分の名前を探す。
「あった!!仁、私五組だよ!!」
「俺も。」
「ホント!?」
「ああ。ついでに、高瀬と広田も五組」
「ウソ!?やった、やった!!」
今を輝くティーンエイジャーの高校生最後の年に四人一緒だなんて、幸せ使いすぎじゃない?
「あ、真理に仁さん。どうだった?」
愛と広田のもとへ帰るとまたいちゃついていた。
でもそんなこと気にならない。
だって今私は幸せの一員だもん。
「みんな一緒!!」
「え、ほんとに?やったね!」
「おー、奇跡だな、学年主任の春山崇拝だわ」
「なんで四人一緒がいいんだ?」
嬉しそうな声を上げる愛と広田に、不思議そうに仁が尋ねる。
「だって、四人いたら楽しいよ?」
「ああ、なんかこのメンツ、バランス良いし」
「そうだよ、仁!!」
「…ま、まあそうだな」
私たちの勢いに押される仁。
四月、新学期。
滑り出しは好調じゃない?
とにかく、四人一緒で良かったー!!

