幼なじみの君に season春→夏



花火も終わり、帰り道


「あーあ、もうすぐ夏休みも終わりか」

「そうだねー」

「また勉強の日々が始まる…」

「大丈夫、広田、一緒に勉強しよ?」

「愛…!」

このバカップル

ほんと、どこでもやるよね、この二人



「愛は俺が送る、じゃあな」

分かれ道で広田が告げた

「うん、バイバイ」

「またねー」



「仁、帰る?」

「…おう」

祭りの賑やかさも去った道を二人で歩く




虫の声が聞こえる

二人の足音

静かな夜道にそれだけが響く




仁、今何考えてるんだろ

私のことどう思ってるんだろ

こんなに近くにいるのに、すごく遠いよ

いろいろなことが頭を巡る

仁…









「仁、ありがと。ここでいいよ」

仁と別れる道へ着いた

「…」

「今日はなんかいろいろとごめんね」

胸がしめつけられる

涙が出そうだ

「じゃ、また…」

寂しさに背を向けるように、手を振って立ち去ろうとする


「…真理」

え?


仁?





振り返ると



「真理」



「仁…?」



私は仁の腕の中にいた




「真理、聞いてくれ」


頭の上で仁の声がする





「俺は、真理のことが好きだ。ずっと前から」





肩を掴み、私の目を真っすぐ見つめる仁






「真理、好きだ」










私今すっごく顔真っ赤だろうな


心の中に温かいものが流れたように、寂しさとか辛さが消えていく





「仁…」








「俺と付きあってくれないか」








涙がこみ上げてくる


その涙を隠すように俯きながら、私は小さく頷いた




「サンキュ、真理」




仁がもう一度私を抱きしめる




そして、



「真理」



「ん?」




顔をあげた私に






仁の顔が近づいて








唇に暖かい感触がする






え?


今キスしてる?





でも、さっきみたいに切なくない



すごく、甘かった