幼なじみの君に season春→夏



「そろそろ腹へったし、なんか食うか?」

「そうだねー」

「何食べよう?」

「たこ焼き食べたいなー」

「よし、たこ焼きに決定!!」

というわけで、

3軒目、たこ焼き



「すいません、たこ焼き2つください」

「はーい、ちょっと待ってねー…」

まだ焼けてなかったみたい

熱々が食べれる!

のだけど。

「8個入りだって。意外と多いな…」

「なんで8なんだよ」

「うーん、アイドルグループでいるじゃん。好きなんじゃないかなー?」

「そりゃないでしょ、愛」

愛の考えに苦笑する私たちに

「よくわかったね、お姉さんたち。そうだよ、私、大ファンなんだ」

たこ焼きを焼いていたお姉さんが笑ってこちらを見る

「ええー!!」

「ほら、やっぱりねー」

驚く私たちと、得意げな愛。

いや愛ちゃん、あなたも適当に言っただけでしょ

「なんか嬉しいから一個ずつサービスしとくわ」

「え、あ、ありがとうございます」

9個入りのたこ焼き頂きました




ベンチに移動して、まあもちろん広田は愛と半分こなわけです。

つまり、私は仁と半分こ!!

そうだ、いいこと思いついちゃったー



「仁、先に食べなよ。はい」

箸でたこ焼きをはさんで、仁の口にもっていく。

「ん、サンキュ」

ふふ、熱いだろ、たこ焼き

期待の目で見る私をよそに、仁は私から箸をとってたこ焼きを食べていく

「ん?どうした?」

仁が箸を止めてこちらを見る

「え、えと、熱くないのかなーって」

「熱く?全然」

「そんな、できたてでしょ」

「ちょうどいいくらいだって、愛も食べてみろ」

仁が私の口にたこ焼きを運ぶ

「って、めっちゃ熱いですやん!!」

「ははは、何だその顔」

「うう、猫舌なんです」

校外学習の小籠包の仕返ししてやろうって思ったのに…

「そんなんじゃ食べ終わらないぞ」

笑いながら仁がたこ焼きを箸ではさむ

「ちょ、それ何個目?」

「7個目」

「え、7個目って、そこ普通半分こでしょ」

「ははは、真理が食べるのが遅いんだよ、悔しかったら取り返してみろ」

笑ってたこ焼きを口に運ぶ仁

仁の箸を持った方の手を止めるけど、たこ焼きは仁の口に消えてしまった

「仁のバカー」

パコパコと仁を叩く

「あ、ちょ、やめろ」

仁がバランスを崩す

仁につられて私もバランスを崩し、仁の方へ倒れかかった

唇に何かが触れる




あれ、なんか、

何が起きたんだろ

私、今…



仁と、キスして、る…?





状況を把握すると、体が一気に熱くなるのがわかった

慌てて飛び退く


「ごめんね、仁!!」

電灯の逆光で仁の表情は良く見えない

「…いや、俺も、悪かった」

「痛くない?」

「大丈夫」

たこ焼きなんかで意地張るんじゃなかった

仁に嫌われたらどうしよう

ていうか、キス…したよね?




あの瞬間を思い出すと、顔が熱くなる

「ごめん、私、手洗ってくる」

「…おう」






はぁ

鏡に映る自分の顔はまだ少し赤みがある


仁…

なんて思ったんだろ

ああ、でもうだうだしてらんない

頬を叩いて喝を入れる

よし、行こう


私は仁のところへ戻った





「ごめんね、おまたせ」

「…おう」

仁の隣に座って、空を見上げながら話した

「愛と広田はまだかなー」

「…おう」

「もう9時か」

「…おう」

なんか。

なんか。

「なんか、仁よそよそしくない?」

勢いよく仁の方を向く

「…別に」

すぐに顔をそらされてしまった

ガーン