幼なじみの君に season春→夏



期末考査も終わり、夏の大会に向けて多くの部活が大会を迎える。

私たちもインターハイ出場に向けて、猛練習の日々だ。



「今年こそは優勝したいねー」

「うん。絶対にね」

スポーツドリンクを飲みながら愛と話す。

「私たち、大会一のダブルスペアになろうね!!」

「うん。日本一のペアを目指そう!!」

「よーし、頑張るぞ!!」




私たちは地区大会シードだから、県大会から出場だ。


そう簡単に負ける訳がない。

私たちは県大会をストレートで優勝し、支部大会へと駒を進めた。



そして迎えた、支部大会の日。





「うん。そ、お昼から。大丈夫、絶対勝つよ」

『そうか。油断するなよ。応援してる』

「ありがと。仁も練習頑張ってね」

『おう。良い報告を待ってる』

「うん、じゃあね」



ふー。

仁の声を聞いたらなんだか安心した。

頑張ろう。







「只今より、ダブルスワンの試合を開始します。選手はコートへ…」



「行くよ、愛」

「うん。真理」




私たちは、夢へ近づくために、歩き出した。









「ゲームセット!!ウォンバイ…」



バタッ


え?

何も見えない

何も聞こえない

ここどこ?

どうしよう

怖いよ…





「真理!!ねえ起きてよ真理?」

「佐山!!いつまで寝てんだよ、寝坊だぞ。佐山!!」

「真理!!」


みんなの声が聞こえる…

起きてるよ?私…

手が動かない

だんだん声が遠ざかっていく



まって、行かないで!!

置いて、行かないで…

まだやりたいこといっぱいあるのに…



「真理!!」

仁…

「真理、行くな!!」

仁…?

「俺、真理にまだ言ってないのに」

「真理!!」

呼んでる…

大好きな仁の声

行かなきゃ。

仁のところへ。

行かなきゃ…



「真理、目を覚ませよ…真理」

「じ…」

「真理のバカヤロー、いつまで寝てんだよ」

「仁…」

「だから毎日俺が迎えに来てんだろ」

「仁」

「真理?真理!!目が覚めたのか!!」

「うん…」

私、何があったの?

「真理、試合が終わってそのまま倒れたんだよ」

うそ…

「ずっと意識が戻らなかった」

そうなんだ…

「真理…」

仁の顔が近づく。

え、仁?

何、してるの…?

私、今、仁に抱きしめられてる?

「真理のバカヤロー。一人で行くな」

「ご、めん…」

「もう一人にさせない」

仁の腕に力がこもる。

仁…

「ありがと」




仁の香りに包まれた。