「はあ、はあ…まだ?」
「佐山お前ほんとにテニス部レギュラーか?」
「うるさいな、坂に慣れてないの」
「私たちの学校の周りには坂道ほとんどないもんねー」
「そうだよ」
「お、見えてきたぞ」
続く坂を上ってやっと見えてきた山手八番館。
「やっとついたね」
「わー、何これ、おじさんの顔があるー」
「愛、おじさんじゃないだろ」
「ここにはサターンの椅子っていうのがあるらしいね」
「ああ、そこに座ったら願い事が叶うらしいな」
「え、そうなの?わー、行こ行こ!!」
中に入ってみると…
確かにありますね、椅子。
中世の貴族が座ってそうな豪華な椅子なんだけど、いろんなところに悪魔の顔が彫られていて、ちょっと不気味。
「おっしゃ、座るべ座るべ」
「私もー」
率先して広田と愛が座る。
ほんとテンポいいなこの二人。
「願い事何にしようかなー」
「いやいや、座ってから決めるなって」
「いっぱいあるよー。全部願っとこ」
高瀬愛、欲張りな女め。
「よっしゃ俺は願ったぜ、仁、チェンジ」
「おう」
「私も終わったよー、交代交代」
願い事か…
そりゃもちろん、
これからも四人で笑ってられますように
それから、
大学合格
インターハイ出場
あと。
仁とずっと一緒にいたい。
願っても、いいですか?

