あれから、蒼の目なんてなんてこと無いかのようにみんなが蒼に普通に接している。
すごく助かる。
蒼の事情は詳しく分からないけど、こんな風に何でもないように楽しく遊ぶことってあまりないんだと思う。
蒼もすごく嬉しそうだし…
「蒼、そこ右!そうそうそう、あっ!!!」
「えっ、なに!」
今は、目の見えない蒼の代わりに志帆が指示して
みんなで人気のレースゲームをしてる。
リモコンのボタン関係無しに、本当の運転のようにするだけだから蒼にも簡単。
アイテムは、志帆が操作してる。
「落ちちゃった…」
「またかよ!志帆の指示下手なんだよ。俺と代われ」
志帆と涼太が位置交代して指示を必死にしてる。
「あっ、ちょっ!バナナ置いたの誰!」
志帆がゲーム内のバナナの皮に怒ってる。
因みにそれは俺が置いたバナナの皮。
「優生かよ!笑ってんじゃねえよ」
涼太に蹴られた。
いてぇよ…
蒼も嬉しそうに笑ってる。
やっぱり、こいつらと会わせて正解だった。
「優生の友達、みんな面白いね」
「だろ?」
「もう…ずっと笑いっぱなし。」
今は交代で、俺と蒼以外の4人がゲームに熱中してる。
蒼は楽しくて仕方ないのかずっと笑ってる。
笑う度にサラサラの髪が揺れている。
あまりの愛おしさに抱きしめたくなるけど
みんながいるから、と頑張って堪えた。
それに、まだ付き合ってない。
こんな再会してすぐに付き合うくらい、俺達も子どもじゃない。
「…どうしたの?」
急に黙り込んだ俺を心配して蒼が声をかけてくる。
「なんでもないよ。…疲れた?」
「ちょっとね。」
そう言って持っていたオレンジジュースを飲んだ。
そして
「こんなに優しい女の子たちと仲がいいなんて、ちょっと妬いちゃうかもね」
茶目っ気たっぷりに笑って、蒼は志帆の近くに座った。
…え?
もしかしてさっきの蒼は、志帆に嫉妬してたってことか?
思わず顔が綻んでしまう。
嬉しすぎるだろ。
「…ちょっと、優生にやけてるんだけど。怖い」
愛美にそう言われて慌てて顔を隠した。
