隆二と樋山は、大学時代からの親友であった。

樋山は、社長である樋山太郎の長男であったが、社長は優秀な田所を後継者として考えていた。

それを知った樋山真二は、隆二に対して憎悪を抱くようになった。

瑠奈は、樋山真二の愛人である。樋山は、隆二を誘惑するように瑠菜に頼んだ。

真二は、瑠奈に成功報酬1000万円を約束した。

業者には、協力しないと取引を中止すると強迫した。

田所隆二は、自分の潔白を倫理委員会で訴えたが無駄であった。
瑠奈もある日突然中洲のクラブから姿を消した。

数週間にわたり倫理委員会で不正の追求が行われ
憔悴しきった隆二は、自分の罪を認め、調書にサインをした。

「田所隆二を懲戒免職に処する」

翌日社内の掲示板に告示され全てが終わった。

この日から隆二の不幸が始まった。
会社は、田所に二千万円の損害賠償を請求した。
高級マンションと家財を売り払い、安アパートに引っ越した。支払いを済ませると手元に僅かな金が残った。
今までに築きあげたものが、一瞬にして消え去った。