田所隆二 45歳
1年前は、大手建設会社のエリート社員であったが収賄事件で懲戒免職。
この事件で幸せな家族も名誉も全てを失った。

瑠奈と初めてあったのは、1年前に接待で中洲の高級クラブに行った時だった。
瑠奈は、男を虜にする美貌をそなえていた。

全身から発散する甘味なエロスの香り

神秘的な美貌と美しくて柔らかなボディライン

全てにおいて完璧な女だった。

隆二は、それから瑠奈の店に毎晩のように通うようになった。
瑠奈は甘え上手だった。最初は、ブランディーの水割りだったものが、ドンペリのロゼになり、遂にリシャールになった。
毎晩何十万という金が散財していった。

わずか一ヶ月で隆二の貯金が底をついた。

その頃隆二が、業者に架空取引やリベートで彼の裏口座に毎月何百万円も振り込ませ、女に貢いでているという社内に噂がひろがった。

人事部の倫理委員会は、内密に調査を始めた。
当然瑠奈にも事情聴取があった。

「田所さんは、業者の方と良くいらっしゃいましたよ」
「それに百万円で今晩どうかとか、マンションを買ってやるとか言って口説くのよ。本当に嫌な客だったわ」

瑠奈は、偽証した。

致命的だったのは、田所がリベートを要求していたという業者の告白と隆二の口座への振り込み伝票だった。

全て樋山真二の策略であった。