「じゃ、俺もう帰るわ。」
「え、もう?」
瑠衣は資料を整頓し、あたしの机に置いた。
「いくら俺だからって、ずっといていいわけないだろ。」
「そっか。残念ー。」
ずっと一緒にいられたらいいのに。
でも、まあ親といる時間も大事だしね。
「わかった。じゃあ近くまで送るよ。」
自室のドアをあけて、階段を降りた。
リビングでは、父さんがテレビを見ていた。
「お邪魔しました。では、また。」
瑠衣の挨拶に気づいて、ソファーから父さんは立ち上がった。
「ああ。また、な。」
なんだか切なそうな顔。
そんなに瑠衣としゃべりたかったんだろうか?

