「とりあえず、さっきのことを話す。」
「うん。」
「俺と杏里は幼馴染で、学校はずっと同じところだった。
そして、君と平井も。」
「え?」
「杏里は体が弱かったから保健室通いだったし、俺は眼鏡もかけてなかったから、君達が知らないのは当然だ。」
「そうだったんだ……。」
全然知らなかった。
中学、同じだったんだ……
「杏里が俺のことを好きだったのは、前から知っていた。
でも、なにも言わなかった。」
「どうして?!」
「それは………」
………どうしよう。
ちょっと期待してしまう。
「……平井が、好きだったから。」
「え…………」
なんで?
仁香も里原のこと知らなかったんじゃ…
「向こうは俺の存在に気づいていなかったし、常に君がいたから、正直邪魔だった。」
「そんなっ…
じゃあどうして「俺が気持ちを伝えても、向こうが知らないんだからどうすることもできないだろ?」
「じゃあ話しかければいいじゃん。」
「そうだな。 そうすることもできた。
けど、平井を見ているうちに、隣の君にも目が行くようになった。」
どうして?

