ギャル系女子が今日、黒髪おさげでやってきました。



もう無理だ。


この人らとは関わりたくない。



「千鶴ちゃんっ!」



気づいたらバッグも捨てて走ってた。



いや、逃げてた。



「なんなのよっ…!
みんな、あたしのこと騙して!」



本当は……騙してるのかはわからない。


あたしの勝手な解釈かもしれない。


少なくとも、バカなあたしの脳ではわからないくらいのことが起こってる。



「……やっと、気づけたのにっ……!
あたしの気持ち!」



「伝えようとしたのに……!」



里原に。


でも、それも叶わなくなった。


杏里がいたから。


杏里の気持ちも知っちゃったし。



「え……じゃあ仁香は………」



あたしは走るのをやめた。