〜アイツの嘘は甘い嘘〜



あたしがいる倉庫の真正面の扉からスタスタと歩いてくる中西。



こんな顔を見られたくなくて、咄嗟に後ろを向いて顔を隠す。



「べっ、別に泣いてなんかないから!だっだいたい、まだ体育祭の最中でしょ!なんでこんなところに…「お前こそ何やってんだよ」

いるの?!と聞こうとしたのに、遮られた。

スタスタと歩いていた中西はもうあたしの目の前。



ちょっと手を伸ばせば触れられる距離。

「あっあたしは別に。。中西には関係ない」


ちがう…言いたいことはこんなことじゃない…



ほんとは、嬉しいのに…中西が来てくれて…やっとここから動けるかもしれないのに…



素直に慣れないあたし。


ほんとは…ほんとは、


「来てくれてありがとう」とか「気づいてくれてありがとう」なんて伝えたいのに…


口では言えない。