「…コウは飲まないの?」
「俺は良い。ユキで手一杯」
昨日と違うのは、今日はコウがお酒を飲まなかったこと。
そして、昨日みたいなふわふわした…甘い時間なんてちっとも訪れなかった。
なんでか分からないけど、少し悲しいような、悔しいような。
「…明日、一度家に帰る」
「ん」
いつも勝手に行って荷物持ってきたりしたけど、一応伝えることにした。
「あと、来週合宿あって…」
「うん」
「わたし、その準備とかで遅くなる…かも」
「了解」
コウの隣に座っていたから顔は見えないけど、さっきみたいな怒った感じはしなかった。
「ねぇ」
「ん?」
「わたし今日遅かったじゃん…それで、その、少しでも…」
「…心配した。
少しじゃなくて、すごく心配した」
「え?」
「って言えば満足?」
コウの方を見ると、コウは意地悪そうに笑っていた。
「嫌いっ」
コウって、そんな笑い方するんだ。
口では嫌いと言いつつも、本当はそんなこと思ってないなんて…
「ん、どうした?」
「言わない!」
コウには秘密だ。

