「はい」
「ありがとう」
遠くからでも気になったけど、近くで見るとよりしっくりくる。
シンプルで、シックなデザインのキーケース。
これ、コウに似合いそうだなぁ。
値段は…
「に、2万…」
値札を覗き込んで驚いた。
こんなに小さいのに、なんでそんなに高いの?
「本革だしなぁ。
てか大事なこと聞き忘れてたけど、予算っていくらくらいだった?」
「…実は、今の所持金2千」
「…へ?まじで?」
「明日お小遣いもらうけど、さすがに2万は厳しいかも…」
「だよな…俺、サービスできても3割だし」
「ごめんね、いろいろ付き合ってもらったのに」
「ま、気にすんなって」
本当に申し訳ないなぁ。
心が痛む。
「…あのさ、1万は?」
「え?」
「今は1万だけ払って、残りの4千分は俺のつけにして、月千円ずつ返すってのは?」
「そんなの悪いよ、もしわたしが返さなかったらどうするの?
損するだけだよ?」
「佐倉さんあまり学校来てないイメージだけど、今日話して悪い人じゃないって思ったし。
俺は信じられるよ」
この人、本当に不思議な人だ。

