「歳は?」
「たぶん20後半くらいかな…?」
「仕事とか趣味は分かる?」
「ごめん、分からない」
質問されて、いかにわたしがコウのことを知らないかが分かった。
「…服より小物とかアクセの方が良いかもな」
「なんかごめんね」
「別に良いよ。
ま、次学校で会ったら挨拶でもしてよ。
クラスメートなんだし」
いろいろ一緒に見てくれて、考えてくれて…
仕事だとしても一度も嫌そうな顔もしないで、ずっと笑っていて良い人だと思った。
同時に、何でこんな良い人のことを知らないなんて言ってしまったことか…
とても申し訳なくなった。
「…あれ何?」
なかなかしっくりくるものが見つからないまま、申し訳ないけど帰ろうとも考えていた。
そんな時、レジの奥にあるものが見えた。
「どれ?
ああ、あれキーケースだよ。
今日届いたばっかで、明日品出しする予定だったんだけど…
気になる?」
「うん」
「おっけ、少し待ってて」
そう言って、キーケースを取りに行ってくれた。
そういえば、名前知らないままだ。

