高校に着くと、いつもの景色。
いつも来たり来なかったりだから、初めは物珍しく見られていたわたしも、今では誰も気にしなくなった。
忘れかけていた自分の席を思い出す。
わたしが座っても、誰も気にしない。
そう、いつもと変わらない…はず。
「さ、佐倉さんっ」
「……………」
「佐倉 陽菜さん…?」
あー、そっか。
わたしの名前を呼ぶ珍しい人もいるもんだなぁ。
「…誰?」
振り返れば、見たことのない女の子。
ふわふわしたショートの髪に、おどおどした様子。
わたしのことを怖がってるなぁ。
「お、同じクラスの…っ三田 伊織です」
「あーそっか。
ごめんね、三田さん。
で、何の用?」
「えと、その…っ」
普通にかわいいんだけど、この様子を周りから見たら、たぶんわたしが三田さんをいじめてるようにしか見えなそう。
早くどっか行ってくれないかな。
三田さんもかわいそうだし、わたしの心も痛い。

