「空き部屋はハルにあげたから、俺の部屋に敷いた布団でユキは寝て」
「なるほど、りょーかい。
じゃ、お先に失礼するわ」
ユキさんは、わたしの方を見てウインクをした。
その意味は分からなかったけど、コウと二人残された部屋が何だかいつもと違く感じた。
「その、コップ割っちゃってごめんなさい」
床に落ちたコップは割れていて、ガラスの破片が飛び散っていた。
高そうなコップだったし…
コウさっき怒ってたよね。
「いつか必ず弁償するから!」
「別に良い、そんなの」
「良くないよ、ちゃんと返す」
「…じゃあ、100円のやつで良いよ。
飲めれば良いし」
何だろう…
コウから見たわたしって、代わりのコップを買うお金も持ってないガキに見られてるのかな…
「……もういい、片付ける。
コウは寝てて良いよ」
そうだとしたら、すごくバカにされてる気分だ。
確かにコウは初めに言ってたように、居候してるわたしに対して何の請求もしてこないくらいお金に困ってないみたいだし。
そんな人に比べたら、月々のお小遣いしかないわたしなんて…
ああ、悲しいような、悔しいような。

