「ゆ、ユキさん、危ない!
わたしがコップ持ちますから!」
「ありがと…」
ユキさんは水を飲むと少し楽になったのか、表情が和らいだ。
「じゃあ、わたしは…」
「ん…だーめ」
「へ?だ、だめ?
何が…って、ゆゆゆユキさん!?」
ユキさんの腕がわたしの背中にまわり、そのままわたしはソファーに倒れた。
強いアルコールの匂いに、頭の中がふわふわする。
すぐそこで、コップの割れる音が聞こえた気がした。
「おいこら、ユキ。ハルを放せ」
コウの声ではっとした。
気付けばぎゅっとユキさんに抱きしめられたわたし。
そんなわたしとユキさんを見下ろすコウ。
…コウ、怒ってる?
「ハルも少しくらい抵抗しろよ。
そのままで良いなら俺は部屋に戻るけど」
ああ、やっぱり怒ってる。
声に棘があるもん。
コウに嫌われたら、わたしこれからどうやって…
「コ、ウ…ごめんなさい、置いてかないで」
コウが呆れたように溜息をついたところで、後ろから小さな笑い声が聞こえた。

