「恵美ちゃんのお婿さんになる奴が
うらやましいよ」

「もう、浩君ってば!」

恵美が顔を真っ赤にして浩を軽く突くと
浩はわざと思い切り後ろに倒れて、すぐ
にドアが開くのを待ったが勿論和田は
現れなかった。

所詮、世の中なんてそんなものだった。

恵美は夏休みの間の練習の時は二人分
の弁当を持ってくることを浩に誓った。

浩は優衣も同じようなことを言っていた
のを思い出して苦笑いをした。

どちらかを選ばなければならないと
思っていると、恵美がペットボトルの
お茶の蓋を閉めてから浩を真っ直ぐに
見つめた。

「あのう・・・浩君。

あのう・・・」