浩は鼻の穴にティッシュを二本挿しながら、
家に帰るとすぐ引越しの準備を始めた。

ダンボールに大量のCDを詰めながら、
優衣の
『私、ずっと浩君のことが・・・』
という言葉が頭の中を駆け巡っていた。

(あれはどう考えても俺のことが前から
好きだったということを言いたかったんだ
よなあ。

知らなかった。

単なる馬鹿話しをする異性の友達としか
考えていないと思っていたんで、
驚いちゃったなあ)

それから、優衣の涙とふざけて笑いながら
逃げる姿を思い出すと、浩は一気に自分の
感情が高ぶってきたことに気が付いた。