誰のどんな設定か分からぬまま浩は
続けた。

優衣は浩から走って逃げた。

「ちょっと、嫌だー。止めてー」

「ガオー!逃げると追うぞー」

馬鹿そのものだった。

優衣も久しぶりに浩とふざけていたの
で笑いながら逃げ回っていた。

「あはは。止めてー」

そこでドアが開いた。和田だった。

和田は一気に浩に走り寄ると、
右手を振り上げた。

「嫌がってるじゃねーか!」

浩の鼻の下に二本目の赤い線が出来た。