「残りの一組は『僕らの明日』を歌い
ました『春の息吹』のみなさんです」

『春の息吹』は三人組のフォーク
グループで、お互いにハイタッチを
しながら喜びを表現していた。

(何が『春の息吹』だ、この野郎!

軽音楽部の部室から一歩も外に
出るんじゃねーよ!

なんで俺が選ばれねーんだよ!

そして、あの糞客を早く引きずり出し
やがれ!

退場する前に、でっかい照明が、あの
糞野郎の頭上に三個ぐらい落ちやがれ!

それに、あの司会者・・・)

浩の怒りの矛先を司会の女性の厚化粧
に向けられようとしたところで、
警備員が二人現れて、問題の少年を
席から立たせた。