話は数時間前に遡る―




「千歳ちゃんは告白しないんですか?」




昼休み
生徒がたくさん居る食堂でいきなり凄いことを聞いてくる少女に、アタシ、栗名千歳(くりな ちとせ)は目を見開いた




「きゅ、急にどうしたの?琥珀」




「いやぁ、いつまでも片想いのままだなぁと思いまして」




余計なお世話だよっ!!

アタシは目の前の親友、夏目琥珀(なつめ こはく)にそんなことを思ってしまった




「琥珀こそ、告白しないの?」




何となく聞かれるのが嫌で聞き返してしまった




「え、えーと…。い、いつかしますよ。……多分」




案の定、微妙な反応だ



……まぁ、琥珀の好きな人なんてバレバレだけどね



内心、そんなことを思ってみたりする



そんな何処にでもあるようなコイバナをしていると、見慣れた二人の人影がこっちに向かっているのをアタシは見つけた