ピンポーン




家のインターホンが鳴ってアタシは驚いた



こんな時間に誰が…



そう思いながら、お母さんとその相手の会話に聞き耳を立てた




「あら、十六夜くん!!……うん、分かったわ。ちょっと待ってね、千歳を呼ぶから。千歳ー!!!!!十六夜くんが来てるわよー!!!!!」




い、十六夜!?



な、なんで!?

だってアタシ、十六夜のこと無視してたのに…



驚きを隠せないまま、アタシは玄関に向かった




ガチャ…




「よぉ」




「な、何の用?」




十六夜がアタシに用事なんて、今この状況では考えられない


一体、どうしたのだろうか


そんなことを考えていると、十六夜は想像もしていなかったことを口に出した




「……ケンカした時からずっと謝りたかったんだ。ゴメン」




「え…?」




突然の十六夜からの謝罪に、アタシは戸惑いを隠せなかった


……返事をしなきゃ




「……アタシこそ、変なことで怒って、無視もしちゃってゴメン」




「……いいよ。」




その言葉が嬉しくて、つい笑みが溢れた



……今なら言える気がする



ずっと言えなかったことが……




「「あのさ…」」




なんと、二人同時に声が重なった




「ち、千歳からで良いよ」




「いや、十六夜からで良いよ!!」




「じゃ、じゃあ…」




何を話すんだろう



ドキドキしながら、十六夜の言葉に耳を傾けた




「…ケンカしてる時、家でずっと千歳のこと考えてた。そして、姉ちゃんの『大切なこと程、言葉にしないと分からない』って言葉を聞いて、その気持ちをやっと知ることが出来た…」




そう言った後、少し間を開けてから十六夜はアタシですら考えられないようなことを口にした




「千歳のことが好きだ。オレと付き合ってください」




その時、時間が止まったようにアタシは感じた