「なに…泣いてるの?」


そんな声が聞こえたのは、
私が裏庭で泣きじゃくっているとき
だった…。


おっとりした、優しい声だった…。

声の方に顔を向けると、木の上に
男の人が一人座ってた。


ネクタイの色が緑だから、私の
一つ上だ。

この学校は、学年ごとにネクタイの
色が違うから、何年生かすぐにわかる。