「莉緒、行くぞ。
こいつのせいで時間くっちまって
もやだ。」

陸斗はそう言うと、私の
手に大きな掌を重ね、私を連れ出した。


いつもそう。

歩くペースは私に合わせてくれる。

時々私を見つめて、笑いかけて
くれる。