【完】一粒の雫がこぼれおちて。






里沙の手術が終わってすぐ、聞いた話。



『あたし……あたし、ね……伯父さんと伯母さんに、救われた……。』


『は?』


『2人が……生きろって、あたしの背中押してくれたの。』



変な話。


そんな夢みたいな話は信じる気も無いし、信じるガラでもない。



……でもあの人たちなら……。


あの、いつも愉快でうっとうしいぐらいラブラブで、優しい2人なら……。



『……よかったじゃん。』



ありえるかも、とか思う。



「よろしくねー、祐大くん、里織ちゃん。」



……もしも僕たちの間に、子供が生まれたとすれば、しずくはどんな、〝母親の顔〟をするだろうか。



小さな赤ん坊に包まれた、小さなしずくの手。



「ふぇっ……、わ、ぁあああぁん!!」


「あーあ、しずくが泣かした。」


「そ、蒼空も見てないで助けてよっ!」


「……やだね。子供苦手。」



僕はそんな彼女を愛おしく想いながら。


ソッと、その手を繋いだ。





番外編④

ずっと傍にいるから。 END