【完】一粒の雫がこぼれおちて。






あたしは、死んでしまってもいい。


お腹の子たちが助かるなら……震えるほどに怖い死も、堪えられる気がする。


……やっぱり、死ぬのは怖いけどね……。



これが、〝母性〟ってやつなのかな……。



「……っ、さ……。り……。」



あ……声、聞こえなくなって来た……。


本当に、あたし死んじゃうんだ……。



……ごめんね、蒼空くん。


約束、守れそうにないや……。



しずくちゃんも、大くんも、ごめん……。



ごめんなさ……。


「……ダメよ、里沙ちゃん。」



意識が薄れ、覚悟を決めたとき。


暖かい声と光を感じた。



誰……?



「……可愛い子ね。名前は、もう決まってるの?」



……ううん、まだ……。



「そう……。きっと2人とも、真っ直ぐな子に育つわ。男の子の方なんて、依織にそっくりに育つんじゃないかしら?」