【完】一粒の雫がこぼれおちて。






『……あたしは、ずっと蒼空くんの傍にいるから。』



いつか言われた、その言葉。


僕が1番苦しかったときに、心に響いたあの言葉。



「ずっと……ずっと、ずっと傍にいるって言ったじゃないか!!」



震える手で、病院の廊下の壁をドンッと殴った。



痛みなんて感じない。


感じるのは、僕の体の中を回る血流だけ。


生きている証の、血の流れだけ……。



「っ……蒼空っ、やめて……。」



隣にいたしずくに、ソッとその手を握られる。



気付かない内、手からは血が流れていた。


……どうりで、手が熱いわけだ。



「しずく……。」



言ったんだ、里沙は。


あの日、里沙は僕に言った。



誰もいなくなった僕に、里沙は……。