【完】一粒の雫がこぼれおちて。






それを、今少しだけ後悔する。



「里沙が……死ぬ……?」



久々にやって来た月見山病院の産婦人科は、里沙が妊婦として通っている病院。



もちろん、産婦人科には来たことが無い。


ただ月見山病院自体は3年前の夏辺り、しずくと2人、時には松江大地を入れて3人でよくやって来た。


松江大地としずくの父親、充巴さん会いに。



「……あくまで可能性です。里沙さんの場合、双子のうちの1人が逆子になっています。今の状態から、お腹の2人を取り出すためには、帝王切開と言って子宮を切り開くしか……。」



里沙が、死ぬかもしれない。



男の僕には、里沙の気持ちも痛みも分からないけど。


里沙ならば、どうする……?



「……最善は尽くしますが、最悪の場合も……考えておいて下さい。」



2つに1つ。


自分か、子供かと聞かれたら。