【完】一粒の雫がこぼれおちて。






side 和泉蒼空





最初は何度も、反対した。


松江大地と里沙が付き合うことに。



だけど里沙が認めた男だから、渋々、僕は承諾したんだ。


承諾と言っても、僕は里沙の親でも何でもないんだけど。



……里沙が笑顔だったから、今度こそ大丈夫だと思って。


松江大地に、里沙を預けた。



「妊娠しちゃった。」



里沙がそう僕に打ち明けてくれたときだって、僕は何も言わなかった。


あ、「おめでとう」は言ったかな。



というより、里沙が妊娠したとき、既に姓が変わってたし。


夫婦の間に子供が出来るのは普通のことで、僕にとやかく言う権利は無かった。



暗黙の了解ってヤツかな。