【完】一粒の雫がこぼれおちて。






「そらっ、く……!」


「里沙?」



蒼空くん、そらくん。


心の中で何度も名前を呼ぶけど、お腹が痛すぎて、声に出せない。



「おなか……い、た……っい……!」



それでもなんとか振り絞った言葉。



「っ、家だよね!? 病院呼んで、今すぐそっちに向かうから!!」



蒼空くんのそんな言葉を最後に、あたしの意識はプツンと切れた。




……痛い。


お腹が痛いよ……。


あたし……死んじゃうのかな……。



「……さっ! ……り、……さ……。」



大くん……?


あ、違う……蒼空くんの声だ……。



「そ、……な……っ! りさっ……さ!」



嘘、やっぱり大くんの声も聞こえる……。


仕事、抜け出して来ちゃったのかな……。


……悪いこと、しちゃったなぁ。



それより……お腹痛い……。


赤ちゃん、早く生まれて来て……。