【完】一粒の雫がこぼれおちて。






そんな気が1ミリも無かったあたしは、当然目が点に。


それでも真剣に告白してくれた彼に、少なからず3ミリぐらいは、心を動かされた。



「ごめんなさい。」


もちろん、最初は断ったけど。



……でも。



「相川さん、今日シフト? ……一緒だな。」


変なとこで真面目なあたしに合わせて、〝相川さん〟って呼んだりとか。



「もう冬だなー。寒いだろ? これ着てろ。」


寒くない、って強がるあたしに無理矢理、上着を貸してくれたり。



「コイツ、オレのものだから。……余計なちょっかい、出すなよ?」


嫌がるあたしに絡んで来た男たちを、早々と追い払ってくれたり……。



「オレ……まだ相川さんのこと、好きだから。」



彼を知れば知るほど、彼に溺れてしまう。


大くんを、好きになる。