【完】一粒の雫がこぼれおちて。






番外編④

ずっと傍にいるから。



side 松江里沙





高校を卒業して、早2年。


付き合って、早3年。


結婚して、早1年。



20歳のあたしは、双子を授かった。



「ほ、本当に1人で大丈夫かっ……?」


「うんっ、平気平気。出産予定日まで、まだ1週間も早いし!」



3年前の秋の終わり。


3つも年上の彼は、あたしがバイトするファミレスにやって来た。



第1印象は、チャラそう。


チャラいっていうほどチャラくもないんだけど。


決して、良い印象では無かった。



元々あたしの異性の好みって、どちらかと言えば蒼空くんのような、真面目な人だから。



「オレ、松江大地っていうんだけど……付き合って、ほしい。」



松江大地こと、大くんを気にかけ始めたのはそんな告白をされてから。